ニコチンはタバコに含まれている主な成分です。ニコチン依存症という言葉も聞いたことがあるでしょう。このニコチンについてしっかり理解している人は少ないかもしれません。

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電子タバコにはニコチンの害が無い?

近頃健康を意識してか、従来の紙巻きタバコからVAPEなどの電子タバコにシフトする利用者が急増しています。
しかし、電子タバコは紙巻きタバコに比べて本当に害が少ないのでしょうか。

紙巻きタバコが健康に良くないとされる理由は、人体に有害とされる物質が多く含まれるためです。
そのおもな有害物質はタール、一酸化炭素、ニコチンの3つ。まずはこの3つについて、具体的にどのような害があるのかみていきましょう。

まずタールとは、植物を燃やすことで煙とともに発生するヤニのことで、発癌物質が数十種類含まれています。
しかし電子タバコは火を使用しないため、タールは含まれていません。
一酸化炭素はヘモグロビンと非常に結合しやすいため、本来酸素を運ぶはずだったヘモグロビンの多くが一酸化炭素によって目的を果たせず酸欠の状態に陥ってしまいます。
これにより運動能力の低下が起こることはもちろん、習慣化することで動脈硬化のリスクも高まります。
電子タバコにはこの一酸化炭素も含まれていません。

そして最後にニコチンです。
タバコを吸ったとき感じる快感は、ニコチンが受容体と結びつくことで分泌されるドーパミンという脳内物質によるものです。
ニコチンの効果は数十分しか続かないため次第に不安感が増し、またニコチンを欲してしまいます。
中毒性があるということ以外に、ニコチン自体も致死量は成人の場合40~60mgといわれ当然無害ではありません。
しかし国内で販売されている電子タバコ用リキッドには、このニコチンも含まれていません。

日本で販売されている電子タバコにニコチンが含まれていないのは、液状のニコチンは薬事法の規制対象となり国内では販売が認められていないためです。
ニコチン入りリキッドは、海外では多くの国で販売されているため海外から個人輸入する人も増えています。
ちなみにアイコスに代表される加熱式タバコには、リキッド状ではなくタバコの葉が使用されており、タバコの葉は薬事法による規制はないため国内で販売することができるのです。

ニコチンなしでも発癌物質は15倍!電子タバコの危険性

ここまでの説明では、電子タバコには害が少ないように感じられます。
確かにタール、一酸化炭素、ニコチンが含まれていないことはメリットといえるでしょう。しかし電子タバコの問題点は他にあります。

電子タバコで吸引するリキッドはプロピレングリコールやグリセリンを主成分とし、香料などの化学物質が添加されています。
このうちプロピレングリコールは加熱するとプロピレンオキサイドという発癌物質に変わることが知られています。
2014年には厚生労働省が、国内で流通する電子タバコの一部銘柄で、紙巻きタバコ1本分の15倍を超える発癌物質が確認できたことを明らかにしました。
このうちホルムアルデヒドは、製品によっては紙巻きタバコの10倍以上に達するものもあったといいます。これらの有害物質は副蒸気にも含まれています。

ネット上で見かける電子タバコ「VAPE」の説明では、煙が発生しないため副流煙の心配がないとあります。
しかし煙が出ないというだけで蒸気は発生しています。
副蒸気に含まれる発癌物質の量はおそらく微量であろうと考えられますが、製品やロットによって差があり、紙巻きタバコと比べても多い可能性も十分にあるのです。

そして最も問題なのは、リキッドにどんな化学物質が入っているのかが明確でないことです。
先ほどの厚生労働省の研究では、「ニコチンなし」と謳っているにもかかわらずニコチンが検出された銘柄もあったことがわかっています。
またアイコスなどの加熱式タバコについても、日本呼吸器学会が、健康に悪影響がもたらされる、副流煙による健康被害が生じる可能性があるとの見解を示しています。

これらの新型タバコの研究はまだ始まったばかりで、わかっていないことも多いのが現状です。
しかし決して無害とはいえず、それなりのリスクがあることを理解して使用する必要がありそうです。

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